試用期間に辞めるのは気まずい?いいえ、実は気にしなくてOKです

「試用期間中に辞めるのって、気まずい…」と、悩んでいませんか?
結論からいうと、試用期間中に辞めるのに気まずいと思う必要はありません。
本記事では、試用期間中に辞めるのが気まずいと思わなくていい理由について解説しています。
試用期間中だけど辞めたいと思っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
試用期間中に辞めるのが気まずいと思わなくていい理由

使用期間中に辞めても、気まずいと思う必要はありません。
その理由は、以下の5つです。
- 法的に問題ないから
- 迷惑がかからないから
- 試用期間中に辞める人は多いから
- ブラック企業に染まらなくてすむから
- 会社の損失にならないから
法的に問題ないから
民法では、すべての労働者に退職の自由が保障されています。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
引用元:e-Gov法令検索
わかりやすくいうと、試用期間中であっても退職の申し出ができるということです。
もしも就業規則に「試用期間中は退職できない」と規定されていても、大丈夫です。
就業規則はあくまで社内だけの決まりで、法的な拘束力はありません。
一般的には、就業規則よりも民法のほうが優先されます。
ですので、試用期間中に辞めるのは法的にまったく問題ありません。
迷惑がかからないから
試用期間中に辞めても迷惑がかからないことも、気まずいと思わなくていい理由のひとつです。
試用期間とは、いわばお試し期間のことです。
要するに、試用期間中はお互いに合うか合わないかを探る期間といえます。
お試ししてみて合わないとわかったら、早めに辞めたほうが会社には迷惑がかかりません。
逆に、合わないと思いつつ試用期間後に辞めるほうが会社にとっては迷惑です。
ある程度仕事を任せられるようになってから辞めるくらいなら、試用期間中に辞めたほうがいいでしょう。
あなた自身も合わない会社で時間を浪費しなくてすむから、ウィンウィンです。
試用期間中に辞める人は多いから
次に、試用期間中に辞める人は思っているより多いという事実もあります。
ツイッターで軽く調査しただけでも、試用期間中に辞める人はかなりたくさんいました。
いくつかのツイートにもあるように、試用期間中のほうが辞めやすいです。
それは、試用期間中のほうが人間関係が浅いからです。
人間関係が浅く、重要な仕事を任されていない試用期間中は一番辞めやすい時期といえるでしょう。
ブラック企業に染まらなくてすむから
もしも入社した先がブラック企業だった場合、早く辞めたほうがブラック企業に染まらなくてすみます。
わたしも元ブラック社員なのでわかりますが、ブラック企業で働いているとブラックな考え方に洗脳されてしまいます。
そうするとブラック思考があたり前になってしまい、いつまでもブラック企業から抜け出せなくなるでしょう。
感覚がマヒして、長時間労働・パワハラを当然のこととして受け止めるようになってしまいます。
一方、試用期間中であればまだ正常な判断ができるからサクッと辞められます。
会社の損失にならないから
あなたが転職エージェントを利用して入社したなら、試用期間中に辞めたほうが会社の損失になりません。
どういうことかというと、あなたの採用にかかったコストがゼロになるからです。
そもそも、転職エージェントが無料で利用できるのは採用する側の会社がお金を払っているからです。
たとえば、1人採用が決まったらその人の年収の30%を報酬として転職エージェントに支払うといった感じ。
ただし、試用期間中に退職したら報酬は返金されるという特約があるケースがほとんどです。
だから、試用期間中にあなたが辞めても会社にとっては損失になりません。
それに対して試用期間を過ぎてから辞めると、費用はかかるし仕事に穴は開くしで会社にとってはダメージが大きくなります。
というわけで、試用期間中に辞めても気まずいと感じなくてOKです。
試用期間中でも辞めたほうがいい会社の特徴

入社した会社が以下の項目に該当する場合、試用期間中に辞めたほうがいいでしょう。
- 雰囲気が合わない
- 人手不足が深刻
- 仕事を教えてもらえない
- 入社前に聞いていた条件と違う
- 日常的にパワハラがある
雰囲気が合わない
雰囲気が合わないと感じる会社は、試用期間中に辞めたほうがいいでしょう。
なぜなら、雰囲気が合わない会社で働くのはデメリットが圧倒的に多いからです。
仕事の楽しさややりがいは、環境面も大きく関係します。
つまり、どれだけ好きな仕事をしていても雰囲気が合わない会社だと楽しさを感じられません。
会社の雰囲気は入社してからじゃないとわからないから、合わないと思ったら試用期間中に辞めたほうがいいでしょう。
人手不足が深刻
人手不足が深刻な会社も、試用期間中に辞めたほうがいいです。
その理由は、人手不足ゆえに仕事量が多くなるからです。
試用期間中にたくさん仕事を任されても、できるわけがないでしょう。
こういった会社では、試用期間後はもっとたくさんの仕事をさせられるようになる可能性が高いです。
また、シンプルに仕事が回らなくて倒産するおそれもあります。
人手不足の会社にいてもロクなことはないので、早めに辞めたほうがいいでしょう。
仕事を教えてもらえない
試用期間中にもかかわらず、仕事を教えてもらえない会社もヤバイです。
仕事を教えてもらえない会社では、ミスをしてもだれも助けてくれません。
仕事を教えてもらえないのは、教えなくてもできて当然だと思われているからです。
だから、できて当然のことでミスをしても助けてもらえず怒られるだけでしょう。
もちろん、仕事上で助け合える仲間を見つけるのもほぼ不可能です。
入社前に聞いていた条件と違う
入社前に聞いていた条件と違うときは、労働基準法第15条に違反します。
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
引用元:e-Gov法令検索
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
上記のように、賃金や労働時間が聞いていたものと違うときは即日退職が認められています。
もともと、賃金や労働時間についての約束を守ってくれない会社は信用できません。
信用できない会社は、試用期間のうちに辞めるのが正解です。

即日退職に関しては、下記記事も参考にしてください。
日常的にパワハラがある
あたり前ですが、パワハラは犯罪行為でけっして許されるものではありません。
かんたんにいえば、パワハラがある会社は相当ブラックです。
かなりのブラック企業は、試用期間中こそ辞めやすいです。
辞められるうちに、辞めてしまってください。
たまに「自分が仕事ができないせいで怒られるんだ…」と勘違いする人がいますが、それは間違いです。
パワハラは加害者が100%悪くて、被害者のあなたに非はありません。
上司が暴言を吐いたり怒鳴ったりするタイプの人だったら、即座に辞めてください。
試用期間中に辞めるのが気まずいときの対処法


試用期間中に辞めるのが気まずいと思ったときは、以下の方法を実践してください。
- まずは上司に相談する
- 退職理由を正直に伝える
- 気まずいなら退職代行に依頼する
まずは上司に相談する
試用期間中でもそうでなくても、辞めると決めたらまずは上司に相談してください。
上司に相談するのは、後任や引き継ぎの問題があるからです。
社会通念上、退職を決めたら上司に相談するのがマナーです。
たとえ試用期間中であっても、社会の常識にしたがったほうがいいでしょう。
早めに上司に相談することで、気まずさを感じにくくなります。
退職理由を正直に伝える
試用期間中に辞めたいときは、退職理由を正直に伝えたほうがいいでしょう。
合わないなら合わないと素直に伝えたほうが、お互いに納得できるからです。
もしかしたら、辞めたい理由を正直に伝えることで状況が改善することもあります。
可能な範囲でかまわないので、できるだけ正直に辞めたい理由を話してみてください。
気まずいなら退職代行に依頼する
気まずさに耐えられそうになかったら、退職代行を使うのも選択肢のひとつです。
退職代行とは、あなたのかわりに「退職したい」と会社に伝えてくれるサービスです。
自分で辞めたいと伝える必要がないため、気まずくなることがありません。
退職代行の最大のメリットは、最短で明日から出社しなくてよくなることです。
試用期間中でも確実に辞められるし、引き止められることもありません。
一部の退職代行では、退職届などの必要書類のテンプレがもらえます。
そのため、あなたは担当者の指示どおりに書類をコピペして用意するだけでOKです。
なかには、無料で転職活動をフォローしてくれる退職代行サービスもあります。
退職代行については、別の記事でくわしく解説しています。
興味があったら、下記記事へどうぞ。


試用期間中に辞めるデメリット


試用期間中に辞めるのは、気まずいことではありません。
とはいえ、試用期間中に辞めるデメリットはあります。
それは、以下の3つです。
- すぐに辞められるわけではない
- 今度の転職活動に影響する
- 次の再就職手当金がもらえない
すぐに辞められるわけではない
試用期間中であっても、すぐに辞められるわけではありません。
先ほど、民法第627条では退職の自由が保障されているとお伝えしました。
ただし、この条文には以下のような続きがあります。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用元:e-Gov法令検索
もう少し噛み砕くと、退職を申し出てから2週間経たないと退職は成立しないという意味です。
すぐに辞めたいと思っても、バックレや無断欠勤は許されていないから注意してください。
今後の転職活動に影響する
もうひとつのデメリットは、転職への影響です。
試用期間中に退職した経験が何度もあると、今後の転職活動に影響するかもしれません。
少なくとも、プラスの要素になることはないです。
といっても、辞めた理由をしっかり説明できるのであれば問題ないでしょう。



入社前に聞いていた条件と違って、初日から遅くまで残業があった。



となりの部署にパワハラ上司がいて、毎日怒鳴り声を聞いているのが苦痛だった。
など、どうして辞める決心をしたのか伝えられるようにしておくのが理想的です。
次の再就職手当金がもらえない
再就職手当金とは、ハローワークからの就職お祝い金のことです。
受給条件はいろいろあるのですが、過去3年以内に受給したことがある人は再就職手当金がもらえません。
つまり今回再就職手当金をもらった場合は、次のときは再就職手当金がもらえなくなります。
そうはいっても、試用期間中に辞めても一度受給した再就職手当金を返還する必要はないから安心してください。
試用期間中に辞めるのは全然気まずくない!


試用期間中に辞めるのは、全然気まずいことではありません。
試用期間とは、いいかえればお試し期間です。
じっさいに入社して合わないと思ったら、試用期間中に辞めたほうがあなたにとっても会社にとってもプラス作用が大きいでしょう。
試用期間中に辞めたいと思ったら、遠慮せず辞めてくださいね!